訪日観光客の傾向は
個人・趣味・地方へ

 これまで紹介してきた4人の中国人たちは、まだ訪日観光客のマジョリティーではないかもしれない。だが、彼らは今後のトレンドの先頭にいる。近い将来、中国人観光客のニーズは、団体旅行から個人旅行へ、買い物から文化や趣味の体験へ、大都市から地方へと変化していくだろう。

 一方でショッピングに関しては、今や国境を越えたネット通信販売で日本の商品も容易に入手できるため、「爆買い」への情熱は今後もさらに下がっていくのではないか。

 先述の溪さんによると、ツアー参加者の多くは団体行動ではなく、個々人で自由に行動できるフリープランを選ぶという。団体旅行による「体験」では、一人ひとりの異なる需要を満足できないからだ。

 上海で貿易業を営む周益群(Zhou Yiqun)さんが初めて日本を訪れたのは2015年。日本各地の水源地を調査し、今は日本の天然水を中国で売るビジネスを行っている。周さんは日本との関わりが深まるにつれて、日本文化への関心が高まっていった。中国人の爆買いで注目された1つに温水洗浄便座「ウォシュレット」があるが、そうした製品自体よりも、そうした製品を生み出した日本の文化などを知りたいという。

 訪日観光客のリピーターが増えるに伴い、「爆買い」から「体験」へのトレンドの変化は確実である。日本の観光産業がこうした需要の変化をとらえることができれば、中国人観光客数は今後も安定的に続いていくだろう。

※『東方新報』は、1995年に日本で創刊された日本語と中国語の新聞です。