【ワシントン】ドナルド・トランプ米大統領の弁護士らは政権誕生から3年近くの間、数多くの法的主張を行ってきた。そうした主張を総括すると、大統領はたとえ殺人を犯しても訴追を免れる強力な特権を与えられることになる。
トランプ氏の弁護士らによる文書や裁判所への提出書類、法的意見、公式声明の広範な調査から、弁護士らはどんな連邦、州、地方政府機関の権限もトランプ氏には及ばず、民事訴訟や法的命令、犯罪捜査、議会調査を免れる立場であることを一貫して主張してきたことが浮き彫りとなった。
トランプ氏が多くの法的追及に直面する中、こうした主張は強引さを増している。議会は弾劾の可能性を検討中だ。ニューヨーク州検察当局は犯罪捜査の一環としてトランプ氏の納税記録提出を求める召喚状を出したほか、民事訴訟も相次いでいる。
トランプ氏の弁護士の1人は最近、同氏がマンハッタンの五番街で誰かを撃っても現地当局の捜査対象とはならない可能性さえ示唆した。トランプ氏は2016年大統領選で、たとえ人を撃っても支持者を失うことはないと豪語したが、それに同調する見解だ。