無線通信技術大手の米クアルコムは第5世代(5G)移動通信システム端末向け製品の競争で主導的地位にあるが、これを利益の伸びに結びつけるのに苦戦している。米中貿易摩擦や携帯電話の新製品発売ペース鈍化が背景にある。だが同社が6日に発表した7-9月期(第4四半期)決算は、数カ月以内に状況が好転しそうなことを示唆した。売上高は48億1000万ドルと前年同期に比べ17%減少したが、ファクトセットがまとめたアナリスト予想の47億6000万ドルを上回った。調整後1株利益は0.78ドルに減少したが、これも市場予想を上回り、同社経営陣が3カ月前に明らかにした予想レンジの上限だった。半導体の出荷数は前年同期比34%減の1億5200万個。貿易摩擦や携帯端末市場の軟化が浮き彫りになったが、同社経営陣の予想と同水準だった。