HONZでも人気のノンフィクション作家2人が、反社とはなにか、暴力団とはなにか、ヤクザとはなにかを語った本である。これがおもしろくないわけがない。ということで、本の中から気になったところをいくつか紹介しよう。

 昭和の時代、貧困や差別のなかに生きる持たざる者たちにとって、ヤクザという生き方は一種のジャパニーズドリームの体現だったそうである。男たちのロマンチシズムを痛く刺激するヤクザ映画もこの時代には量産された。しかし平成に入って徐々にヤクザの生活が変わっていった。社会がヤクザを追い詰めていったのだ。平成4年に暴力団対策法が施行された。そのころは極道の妻たちが「このままでは生きていけない」とプラカードを掲げ、銀座をデモ行進できる時代だった。

 しかし東日本大震災が起きた2011年頃から「暴力団排除条例」が全国に広まったことがヤクザを根本から変えてしまったという。銀行口座は持てず、生命保険に入れず、就職も、起業もできない。暴力団であることを申告せずにゴルフ場でプレーしたり、ホテルに泊まったり、クレジットカードを申請すれば詐欺罪で有罪になる。ヤクザという属性があるだけで、もはやまっとうな生活が送れなくなっているのだ。

ヤクザのシノギで流行っているのが
タピオカドリンクの理由

 令和の時代になってヤクザはますます困窮しているという。そんな中、ヤクザのシノギ(資金獲得の手段)の中で流行っているのが、タピオカドリンクだという。タピオカがブームになってから、だいぶ時間が経過しており、そろそろブームが下火になるのでは?と思っていたのだが、私の行動範囲だけでも夏以降に4軒ほど、タピオカドリンクの店がオープンしているところをみると、まだまだブームは続いているようだ。

 タピオカドリンクは1杯当たりの原価が30~40円で売値は500円くらいだから、原価は1割ほどである。開店資金は都内であっても200万ほどで、技術も不要でバイトの教育もほとんど必要がないという手軽さである。店によっては1店舗で月に80万~100万の利益が出ているそうだ。あなたもそうとは知らずに暴力団経営のタピオカドリンク屋で、タピオカドリンクを飲んでしまっているかもしれない。