トヨタ自動車の2020年3月期上半期の決算は、売上高と純利益で過去最高をマークし、絶好調となった。しかし、トヨタグループの“ケイレツ”筆頭格であるデンソーやアイシン精機は減収減益に終わっている。トヨタが笑い、サプライヤーが泣く。この対照的な構図の裏には、現在、自動車業界で起きつつある新次元の「ケイレツ搾取」があった。(ダイヤモンド編集部 新井美江子)
お家芸の原価低減と新型車の発売で
着実に利益を積み上げる
果たして、トヨタ自動車は“無敵”なのか。
米中貿易摩擦、中国減速、円高――。2020年3月期の上半期決算では、国内製造業に「三重苦」が直撃し、下方修正ラッシュとなっている。
ところが、ことトヨタについては、それらの苦しみとは無縁だったようである。連結ベースで売上高は前年同期比4.2%増の15兆2856億円、当期純利益は同2.6%増の1兆2750億円と、二つの主要指標で過去最高(上半期)を更新しているのだ。
好調の理由は大きく二つある。