米司法省の訴追により、サウジアラビアがツイッター社員を利用してソーシャルメディア上でスパイ行為をしていた疑いが明らかとなった。サウジ当局を巡っては、ツイッターの人気を逆手に取り、反体制派を弾圧しているとの疑惑がくすぶっており、こうした疑念がさらに強まっている。サウジはかつて、従来型のメディアを完全な政府管理下に置く一方で、ツイッターを言論の自由を認める場として受け入れていた。だが今回の動きから、事実上の指導者であるムハンマド・ビン・サルマン皇太子の支配下で、サウジが政府批判を容認しない姿勢を強めている現状が改めて浮き彫りとなった。米当局による今回の動きは、サウジ反体制派の米紙ワシントン・ポスト記者、ジャマル・カショギ氏の殺害から1年のタイミングで、両国の政治的緊張をさらに高める要因となりそうだ。