ドナルド・トランプ大統領の下で、米国の経済成長率は良好であり、失業率は数年前にエコノミストらが予想していたよりもかなり低くなっている。トランプ氏は12日にニューヨークで行った講演で、こうした実績を誇らしげに宣伝した。トランプ氏は、この実績が来年の大統領選挙での再選につながると期待している。民主党は逆に、トランプ氏の再選のもくろみを阻む可能性を持つ経済面の弱さの兆候を捉えている。こうした兆候は特に、製造業が盛んなスイングステート(接戦州)で顕著だ。しかし、双方ともに、時代遅れの戦略教本に基づいて行動している可能性がある。政治の二極化に伴い、有権者の経済への評価は、支持政党と無関係と言うよりは、支持政党がどこかによって左右される傾向が強まりつつある。そして、一部の重要な有権者グループに関しては、移民、人種問題、そしてトランプ氏の存在そのものが、投票先を決める要因として、経済問題よりも重視されている。従って、深刻なリセッション(景気後退)や目覚ましい経済ブームがない限り、経済は来年の米国民の投票行動にほとんど影響しないかもしれない。