中国発の人気動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」に対し、米政府や議会には疑念が広がっている。その一方で、最大の国外市場であるインドの規制当局やユーザーは全く動じる気配がない。このアプリが中国以外で最も急速に人気を拡大したのがインドだ。同国の愛好者は若く、インターネットを始めたばかりで、大半が仕事をしていない。彼らの狭い自宅にはプライバシーがあまりなく、国じゅうの公園や駐車場に繰り出して15秒の短編動画を撮影する。その多くは同国のエンターテインメントの中心であるボリウッド映画をまねたものだ。米国の政治家がアプリと中国の結びつきを懸念する中、インドの若者の熱意が次第にティックトックの将来的な成長維持のために不可欠となっている。インドで勢いを持続させるため、ティックトックを運営する北京字節跳動科技(バイトダンス)は積極的に投資し、認知度を高める政府の取り組みを支援している。