最近、新興の“メーカー”や“ブランド”が大手ナショナルブランド(NB)メーカーを揺さぶっている。大手流通企業のプライベートブランド(PB)、セブン&アイ・ホールディングスの「セブンプレミアム」やイオンの「トップバリュ」、ドンキの「情熱価格」が代表的な存在だが、それだけではない。今後、モノ作りの一大勢力となりそうなビジネスモデルも出現しているのだ――。(流通ジャーナリスト 森山真二)
低価格の4Kテレビで話題
ドンキとアイリス
低価格の4Kテレビの投入で話題になった、ドン・キホーテとアイリスオーヤマ。ドンキは2017年、4Kの50型テレビがNBメーカーで10万円以上と高止まりしているところに、なんとプライベートブランド(PB)の「情熱価格PLUS」で50型5万4800円という、まさに“驚安”価格で販売した。
東芝映像ソリューションのメインボードを使ってこの価格を設定、初回生産を完売した上、予約受付が一時中止になった。東芝映像ソリューションは中国のテレビメーカー、ハイセンスグループの傘下に入ったこともあるが、有力メーカーの部品が容易に入手できるようになり、信頼できる製品がPBでも作れるようなったことが好調の要因といえるだろう。
ドンキは18年には4Kテレビで改良版を投入、43型で3万9800円と「本当に4K?」と言いたくなるような価格だ。