「わかる」が広いと、すぐにきめて行動できる
通常の状況で起きていることが理解できている、「わかる」と感じられる状況であれば、直観的にきめます。これが一番速いのですが、「わかる」の範囲や奥行きが乏しいと、なかなかこの決め方ができません。
もしも、「何が起きているのかがわからない」という状況であれば、あらためて現実をよくみます。そのうえで「時間が十分にあれば」、選択肢を洗い出し、比較・分析してきめます。
でも、そんな状況は実際のところめったにありません。それでも、きめて、うごかなければならない。そんな場合は、時間が許す範囲で自分の世界観を総動員して理解する努力をし、直観的にきめるしかありません。これがOODAループの「きめる」(D)です。
時間がないのに、1つずつ選択肢を洗い出して比較・分析する意思決定の手法をとるのなら、OODAループ思考を学ぶ意味がありません。一方、時間がないからといって、判断を先送りしたり、何の根拠もなく思いつきを実行したりすることも避けなくてはなりません。
直観的にきめる力は世界観に大きく左右されます。普段から世界観を広げる努力をして、「わかる」と思える状況を増やしておくこと。これがいざという時の速さと確かさを支えます。