自分の貢献を過大視し
責任を過小視

 常識的に考えたらあり得ないことだし、わけがわからないということになるが、実はこのように人の手柄を盗んで平気な人物はけっこういるものである。

 なぜそんなずるいことが平気でできるのか。どうして気まずくならないのか。

 それは、本人に手柄を奪ったという意識がないからだ。

 信じられないかもしれないが、このタイプは、自分にとって非常に都合の良い認知のゆがみにより、ほんとうに自分の手柄だと思い込んでいるのである。だからタチが悪いのだ。

 このような心理メカニズムのことを利己的帰属という。

 利己的帰属とは、うまくいったときは「自分の関与」=「貢献」を過大視し、失敗したときには「自分の関与」=「責任」を過小視する心理傾向を指す。

 こうした心理傾向は、多かれ少なかれ、だれにでもある。だれだって自分がかわいいので、無意識のうちに、ものごとを自分に都合よくゆがめて解釈する傾向がある。

 だが、時にそれが強すぎる人がいるのだ。