世界28の言語で翻訳された全仏ベストセラーシリーズ最新刊の日本語版『猫は気まぐれに幸せをくれる』が刊行されました。
寝たいだけ寝て、暇さえあれば物思いにふけり、嫌いな奴が来たら姿をくらませる。飼い主をたっぷり困らせたかと思うと、欲しいものがある時だけ従順なフリをして、実は猫のほうが飼い主を選んでいる……15年間、どんな時でもそばにいてくれた愛猫に教わった、もっと楽しく快適に生きる秘訣を『猫は気まぐれに幸せをくれる』から一部抜粋・再編集してお送りします。

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猫のワガママには理由がある?

 猫は果たしてワガママなのだろうか。
 一度ならず同じ質問をされたが、私が思うに猫は人間が思うほど自分勝手ではない。
 猫がワガママだと思うのは、猫の行動の理由をわかろうともせずに人間の基準に合わせたレッテルを毛皮に貼ろうとするからである。

 猫が自分の快適さを第一に考えるのは、実はそのあとに人と分かち合うためなのだ。
「衣食足りて礼節を知る」という言葉もある。他人の役に立つためには、まず自分を優先させなければならないというのは面白い考え方だ。
 愛についても同じことが言えるのではないだろうか。
 人を愛するには、まず自分自身を愛せなければならないのである。

 猫にとっていちばん大切なことは、自分自身の快適さと幸福の追求である。
 そのためになら何でもやる。
 幸福を手に入れるためにまず必要なのが「他を頼らない自立心」だ。ほかの猫に対しても人間に対しても、自立心がなければ自由にはなれない。

 家も友達も、好きな人も嫌いな人も、猫なら自分で選ぶ。
 どんな強制にも屈することなく、頑固。
 まるでボスのように、自分がいいように、したいようにふるまうのが猫なのだ。

 私たち人間だって、自立心を取り戻すことができれば、もっと自由になれる。
 職場でも家庭でも我慢をしないで、幸せになれるような選択肢から自分で選び取っていけばいい。他人に分け与えるために自分がまず幸せになるというのは、ワガママだろうか?

 幸せを手にして、好きな人たちに分け与えて。

 あなたが自分自身をかわいがるのは
 結局みんなのためなのだとわかってもらえるから。