15年間どんな時でもそばにいてくれた愛猫に感じた、猫は意外に自分勝手ではないかもしれない!?ステファン・ガルニエ(Stéphane Garnier)
1974年、フランス、リヨン市生まれ。レコーディング・エンジニアとして長く働いた後、現在は作家として小説、エッセー、ドキュメンタリーなどを手掛けている。愛猫ジギーとの暮らしを満喫し、その行動から日々得られた気づきをまとめた『猫はためらわずにノンと言う』(ダイヤモンド社)がフランスで20万部を超えるベストセラーとなり、世界28の言語に翻訳された。腕に抱いているのが愛猫のジギー。

「猫が人間を好きになる理由は、
 人間が餌をくれるからではなく、
 暇つぶしになるからだとわかった」
――ジェフリー・ハウスホールド(作家)

猫と眠ると

 猫と暮らす幸せの一つは、朝起きた時にじっとこちらを見つめているそのまなざしだろう。
 静かで穏やかな朝に一瞬にしてどっと注ぎ込まれる、あふれんばかりの愛情と優しさに微笑まずにはいられない。
 その猫の肉球が唇や目、鼻に触れたら、同じ微笑みと優しさでこたえざるを得ないだろう。

 猫と分かち合おうとしている愛情や優しさ。
 こんなにも愛され守られているなんて、とにかくあたたかい布団から出るのもおっくうになってしまうことだろう。
 しかも自分が伸びをしたら、猫が再び枕に顔をうずめてしまうのもわかっているし。

 目覚めに猫がいるなんて、これほど類まれな親密さ、仲睦まじさの瞬間があろうか。
 猫がじっと見つめる目は、朝いちばんの微笑みを引き出す。
 その瞬間に猫が、「人生って最高だね!」と言っているのは疑う余地もない。

 猫と寝ると、微笑みとともに目覚めることができる。
 顔に刻印されたその微笑みは、その日一日続くのだ。