毎日、何気なく、お風呂に入っていませんか? そうだとしたらもったいない! 「入り方次第でお風呂タイムは治療になる」と言うのは、自律神経や腸の研究の第一人者で「医者が教える長生きみそ汁」の著書もある小林弘幸先生(順天堂大学医学部教授)。
寝ても取れない日々の疲れや、肩こり・腰痛などの慢性的な痛みに、一生悩まされない体を作る、究極のお風呂の入り方を提案した新刊「医者が教える 小林式 お風呂健康法」から、入浴で自律神経と腸の働きを最大限に働きかけるにはどうすればいいのかの、エッセンスを紹介します。
究極のお風呂の入り方とは?
「小林式 お風呂健康法」のベースとなる「小林式 究極の入浴法」の基本は次の通りです。
STEP1
湯船につかる(全身浴で約1分)
STEP2
バス・ストレッチを行う(半身浴で約10分)
STEP3
瞑想をする(半身浴で約3分)
まずは、全身浴で体を温め、筋肉をほぐします。そして、私が考案した「バス・ストレッチ」を半身浴で行い、最後に瞑想をします。この3ステップの中に、自律神経と腸を整える要素をぎゅっと詰め込みました。
お風呂に入るタイミングは、「夕食の約1時間後」+「就寝の1~2時間前」がよいでしょう。このタイミングで入浴をすると、自律神経のバランスが最も整いやすくなります。
体や頭を洗うタイミングは、いつでも構いません。1の前に洗い終えてもいいですし、体だけ洗って1を行い、頭を洗うのは3の後……など、ご自身の好きなタイミングで行ってください。ただし、3の瞑想を行う前には、いったん湯船から出て気持ちを切り替えるのがおすすめです。したがって、3の前に体や頭を洗うと、ちょうどいいでしょう。
なお、この3ステップでは全身浴と半身浴を両方行いますが、湯を途中で抜く必要はありません。半身浴ができる量をバスタブに入れていただければけっこうです。
また、入浴するにあたっては、ヒートショック(急激な温度差により血圧が大きく変化することで、失神、心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こすこと)に気をつけましょう。年間およそ1万9000人もの方がヒートショックなど入浴に関する事故で命を落としており、その数は交通事故の死亡者数の4倍にのぼるというデータが出ています。
特に、気温の低い冬は起こりやすくなるので注意が必要です。浴室暖房機で浴室を温めておいたり、2~3分間シャワーを高い位置からかけたり、バスタブのフタを開けておいたりして、脱衣所と浴室の温度をできるだけ上げておきましょう。リビングとの温度差は5度未満にするのが理想です。湯船につかる前に、かけ湯やシャワーで、体をならしておくことも大切です。入浴前後にコップ1杯の水を飲んだり、入浴中にペットボトルの水をこまめに飲んだりして脱水を防ぐこともお忘れなく。お風呂を安全に楽しんでください。
バス・ストレッチの動きは、マッサージも含めて8種類。すぐに覚えられるほど簡単ですが、自律神経に効かせることを念頭に、医師が開発したものです。くわしくは、本書で紹介していますので、参考にしてください。