【ローゼンデール(米ウィスコンシン州)】酪農家の3代目であるネーサン・ウィーゼさんは苦境にある家族経営の農場が閉鎖を強いられても、トラック運転手の仕事をすれば、稼ぎが今より多くなると確信している。
「仕事がほしいと思えば、仕事に就くことができる」。ウィーゼさんは2016年大統領選挙ではドナルド・トランプ氏に投票しており、次の選挙でもそうするつもりだと言う。「いずれ何か別の仕事に就くことができるだろう」
トランプ大統領が対決姿勢を示している貿易政策の影響を特に強く受けているのが製造業と農業だ。いずれもウィスコンシン州をはじめ、他の一握りの政治的に重要な中部の選挙激戦州に直接的打撃を与えており、経済成長の減速の要因にもなっている。
しかし、深刻な労働者不足にある現況下では、工場や農場の閉鎖で職を失った人々はすぐに他の職場を見つけることができる。このため所得や消費支出を力強い状態に保つことが可能で経済全般のセーフティーネットになっている。
現在の極めて低い失業率は、経済面の課題が幾つもある中で、2020年の選挙でトランプ大統領を助ける緩衝材になるかもしれない。
ウィスコンシン州では、2012年に至るまでの7回の大統領選挙で民主党候補が勝利していたが、2016年には2万2748票差でトランプ氏が勝利を収めた。これは主に、トランプ氏のブルーカラー労働者への訴求が奏功したためだった。
同州ミルウォーキーにあるマーケット大学が11月に行った世論調査によると、回答した同州住民の55%がトランプ大統領の経済運営を支持していたが、大統領の総合的な業績に関しては、不支持が51%に達した。