とてつもないスピードで成長するだけでは、業界としての魅力は十分ではない。中国の宅配事業はまさにその最たる例だろう。中国では過去1年に600億個以上の荷物が配送された。電子商取引(eコマース)の拡大に伴い、10年前の19億個から急増している。その飛躍的な成長は速配サービス企業に多くの商機をもたらしたが、同時に熾烈(しれつ)な競争も促した。宅配サービスは中国電子商取引のエコシステムで欠かせない役割を果たしている。自社で配送網を抱える米アマゾン・ドット・コムとは異なり、中国のアリババグループは、物流を外部に委託している。中国eコマース界の新鋭、拼多多(ピンドゥオドゥオ)もアリババと同じモデルを踏襲。顧客と小売業者が出会う接点を提供する一方で、配送という厄介なビジネスは他社に任せている。
中国の熾烈「宅配戦争」 収束の兆し見えず
有料会員限定
あなたにおすすめ