現状は「Japan Taxi」
今後は「DiDi」「MOV」が優勢か

 5つのアプリがしのぎを削っているわけだが、各社のシェア率はどうか。

「『Japan Taxi』は老舗ということもあり、約900のタクシー事業者、7万台と提携し、全国に展開しているため他社よりも頭一つ抜きんでています。そのほかの国内勢はまだ発展途上といったところです。ただ、Uber、DiDiの海外勢はインバウンド需要が高い。世界700~1000都市をカバーし、普及率も桁違いなので、今後日本でもユーザー数が伸びることは大いにありえます」

 現状では盤石に見える「Japan Taxi」だが、森口氏は「いつまで優位性を保てるかは分からない」と話す。

「『Japan Taxi』の運営会社はタクシー会社の日本交通グループですが、ほかはIT系の企業です。特にソフトバンクが出資しているDiDiは、Pay Payを導入、同サービスとのキャンペーンを実施するなどIT系ならではの取り組みを盛んにしています。Pay Payユーザーの取り込みや、斬新なキャンペーン広告活動を今後も行っていくでしょう」

 DeNAが運営する「MOV」も昨年末に日清食品とコラボした「0円タクシー」を走らせ、今夏には車内空調を極限まで冷やした「めちゃ冷えタクシー」なるものを運行するなど、既存タクシー会社にはない斬新な取り組みが目立つ。そのようなユーザーへの斬新なアプローチができるサービスが、今後有利ということか。

「IT系企業の参入の理由は、移動情報を取得して、それを他のビジネスにつなげることを見込んでいるのでしょう。タクシーの配車は、自社で車両を持たなくて済み、リスク、コストもかからないから、IT系企業でも参入できるのです。彼らは、アプリでのノウハウを生かして移動や輸送の分野への進出をはかっています」