企業が外してはいけない2つのポイント
では、「業績」そして「社員の士気」という視点から考えたとき、企業にとって何が「外してはいけないポイント」なのでしょうか。結論から言うと、それは
・「風通しの良さ」
・「人事評価の適正感」
です。
人事評価の適正感は、従業員がどれだけ人事制度に対して、妥当であると感じているかどうか。風通しの良さは、従業員が感じる、意見の言いやすさ、職場環境の心地よさ、人間関係の良好さを指します。
『OPENNESS 職場の「空気」が結果を決める』のデータを見てみると、面白いことに、これらが低い企業で、「社員の士気」が高い企業はほとんどありません。具体的に言うと、調査した約2400社中、風通しの良さのスコアが低い企業(同スコアが2.5未満、該当142社)のうち、社員の士気が“低くはない”と言える水準(同スコアが3.0)を上回る企業は、13社(9%)しかありません(下の図参照)。
つまり、「風通しが悪いのに、社員の士気が高い会社」は世の中にごくわずかしかないのです。
ちなみに、なぜここで社員の士気を見ているかというと、組織が変革する際に、「社員の士気」はソフト面の中で、①総合的なやる気を表しており、最初に変わるきっかけになりやすい要素の1つであることと、②多くの人にイメージしやすい、からです。(参考までに「e-NPS(従業員の満足度を測る指標)」で同様の分析をしても同じ結果が出ます)。