コーヒー豆は種類が多すぎて、どう選べばいいのかわからない。ブラジル、コロンビア、エチオピア、インドネシア……。エリアごとに、一体どんな特徴があるのか?細かいことはいいから、味わいの違いをざっくり教えて!というわがままな初心者のために、バリスタ・チャンピオンが、生産国ごとの味の特徴を教えるコーヒー豆「超」入門。

テレビで話題沸騰!日本人唯一のワールド・バリスタ・チャンピオンである井崎英典氏の著書『ワールド・バリスタ・チャンピオンが教える 世界一美味しいコーヒーの淹れ方』から、その内容の一部を紹介する(撮影:京嶋良太)。

「生産国」から味わいの特徴をざっくり知る

コーヒーの味わいは、テロワール(その土地固有の生育環境)、マイクロ・クライメイト(微細気候)、品種、生産処理、焙煎、抽出など複雑な工程を経て、作り出されます。

したがって、味わいで国ごとやエリアごとに厳密に分類することは不可能なのですが、どう選べば良いのかわからない、という人も多いと思います。

そんな人のために、馴染み深い銘柄をピックアップし、エリアごとにざっくり「味わい判定表」(詳しくは第3回参照)に対応させる形で分類した、味わいガイドをお伝えできればと思います。

なお、焙煎度合いについては、中煎り程度を目安にしています。焙煎度合いが深くなれば、全体的にマトリックスの右側に味わいがスライドし、焙煎度合いが浅くなれば、全体的にマトリックスの左側に味わいがスライドするイメージを持って応用してみてください。

南米(ブラジル・コロンビアなど)
【バランス】「甘さと酸味のバランス」

ブラジルは日本で最も馴染み深い生産国ではないでしょうか。「コーヒーと言えばブラジル」と言っても過言ではないほど、市民権を得ていると思います。そんなブラジルのコーヒーは、バランスの良い味わい、酸味は穏やかで丸みのある味わいが特徴的なコーヒーです。

コロンビアは、軽やかな酸味と甘味のバランスが絶妙な味わいです。この2銘柄の南米のコーヒーは、甘味と酸味のバランスが取れた味わいと言えますが、より酸味が抑えられたコーヒーが良い、という方はブラジル、バランスは重要視したいけど、酸味は欲しい、という方にはコロンビアがおすすめです。

中米(パナマ・グアテマラなど)
【キレ・スッキリ】「軽やかで爽やかな酸味とフルーティー感」

中米は、パナマ、グアテマラ、コスタリカ、エルサルバドル、ホンジュラス、メキシコなど数多くの名産地が集まる地域とも言えます。中米は総じて、世界のコーヒー産地の中でも標高の高い地域が多く、酸味や風味特性に優れたエリアが多く見られます。

ゲイシャ種に代表されるさまざまな品種が数多く栽培されているのも、中米の特徴と言えるのでは
ないでしょうか。

そんな多様性に優れた中米の生産エリアの味わいの特徴を一括りにするのは気が引けますが、味わい判定表で表現するとキレ・スッキリ系の酸味に特徴のある味わいが多いと思います。

軽やかな味わいや柑橘系の爽やかな酸味は中米で栽培されたコーヒーの大きな特徴です。中米は酸味に伴うフルーティーさを味わう絶好の栽培エリアだと言えます。

アフリカ(エチオピア・ケニアなど)
【キレ】「芳醇で濃厚な香りと際立つ酸味」

アフリカを代表する2大産地と言えば、ケニアとエチオピアではないでしょうか。特にエチオピアは「コーヒーが生まれた地」とも呼ばれており、花のようなエレガントな香りとフルーティーさに定評があります。

またケニアは、日本にも根強いファンがたくさんいます。そのキリッとしたキレのある酸味と、柑橘系やベリー系を連想させる香りが多くのファンを虜にしています。エチオピアもケニアも総じて酸味に特徴があり、ボディは軽やかです。エレガントでフルーティーな香りと酸味を楽しみたい場合にアフリカ系はおすすめです。

東南アジア(インドネシアなど)
【コク】「ボディと苦味の重厚な風味」

東南アジアの生産国で、日本で1番有名な銘柄は「マンデリン」で知られるインドネシアではないでしょうか。インドネシアは一言で表すと「力強い味わい」と言えます。

アーシー(土っぽさ)を感じさせる香り、重厚感のあるボディ、程良い苦味が調和するとてもユニークな生産国です。深煎りにも適していますので、ガツンとした苦味とコク、エキゾチックな香りを楽しみたい場合におすすめな銘柄です。