美味しいコーヒーを淹れるには、何より美味しい豆を選ぶことが大切。だが、どの生産国・地域の豆が好きか以前に、良質な豆がどうかをチェックするポイントがある。コーヒー豆は世界中で大量に生産され、日本に持ち込まれる。コーヒーは植物であり、生鮮食品だ。味は当然、その質に左右される。コーヒーのプロであるバリスタは、美味しい豆をどう見抜いているのか?

テレビで話題沸騰!日本人唯一のワールド・バリスタ・チャンピオンである井崎英典氏の著書『ワールド・バリスタ・チャンピオンが教える 世界一美味しいコーヒーの淹れ方』から、その内容の一部を紹介する(撮影:京嶋良太)。

コーヒーは素材が命――最初のチェックポイント

美味しいコーヒーを抽出するための第一歩は、何と言っても「素材選び」に尽きます。言うなれば、料理と同じようにいかに良い素材を買い付けることができるのか、という作業に似ていると思います。

例えば、どんなに高性能の炊飯器を持っていたとしても、お米の品質が悪ければ、お米の品質以上の味わいを引き出すことはできません。つまり、美味しいコーヒーを抽出する第一歩は、素晴らしい素材を選択することから始まるのです。

それでは、どうすれば良い素材を選択できるのでしょうか。まずは次の3点を基準にしてみてください。

(1)豆の詳しい情報が書いてあるか?

まずは、コーヒーの銘柄に着目しましょう。詳しく情報が記述されている方が、材である可能性が高くなります。

例えば、国名だけ記述している場合は要注意です。「ブラジル」と表記されている場合、一体日本の何倍広いのか、と思いませんか。お米に置き換えて考えてみると、「日本」と表示されているようなものですよね。

逆に、国名だけでなく、栽培地域、農園名、生産者などの細かい情報が記載されている場合はより良いコーヒーである期待が持てます。

なぜそこまで情報にこだわるかと言うと、より情報が明確になっているコーヒーの方が、透明性の高い取引のもと、買い付けられたコーヒーである可能性が高いからです。

透明性が高い取引となると、現地までバイヤーが足を運んで買い付けているか、もしくは信頼の置ける輸入業者が買い付けたコーヒーである可能性が高いと言えます。

特にスペシャルティコーヒーの世界では、トレーサビリティが重視されており、高品質のコーヒーは、いつ、どこで、誰が、どのように栽培したコーヒーなのか、よくわかる仕組みになっています。

したがって、なるだけ情報が明確なコーヒーを探すと、コーヒー選びでつまずくことは限りなく少なくなると思います。