東京五輪にとびっきりのニューヒロイン候補が現れた。有明で今月1日まで開催されたトランポリン世界選手権の女子個人決勝を制し、自身初の五輪代表を内定させた森ひかる。天真爛漫な笑顔を弾けさせた20歳のシンデレラは、偶然にも出会ったトランポリンに心から魅せられ、見た目以上に過酷な競技を極めながら青春を謳歌。日本のトランポリン界がまだ手にしていない五輪メダルへの最短距離にたどり着いた。堂々のエースへと成長してきた原点と軌跡を追った。(ノンフィクションライター 藤江直人)
本番会場となる有明で優勝
トランポリンとの出合いは4歳
周囲を笑顔にさせる天真爛漫な一挙手一投足と、負けず嫌いの性格に導かれる勝負師の一面。二律背反する要素を抜群のバランスで同居させた、キュートなシンデレラがまばゆいスポットライトを浴びた。
竣工したばかりの有明体操競技場で、1日まで開催されていたトランポリンの世界選手権。最終日に行われた女子個人決勝を制し、日本勢で初めて表彰台の真ん中に立った20歳の森ひかる(金沢学院大学クラブ)が、とびっきりの笑顔とともに来夏の東京オリンピック代表を内定させた。
「やばい、やばいです。マジで、って感じ。信じられない。本当にやばいです」