1位はエフィッシモ・キャピタル・マネジメントが保有するライフネット生命保険だ。5月22日、大量保有報告書が提出される直前の株価は終値で550円。翌日は611円となり、上昇率は11.09%だった。

 ライフネットにはKDDIが25%出資しており、「いずれ子会社化される」(外資系証券)とみられていた。KDDIのTOB(株式公開買い付け)を先回りする狡猾な戦略で、成功を収めた格好になっている(12月3日の終値は707円)。

 エフィッシモは、旧通商産業省出身の村上世彰氏が率いた、旧村上ファンドの幹部らが2006年に立ち上げたファンドである。シンガポールを活動拠点にしている。

世界で4兆円超を運用!
エリオットの投資先は4.2%上昇

 上昇率が10.24%で2位となった靴下メーカーのナイガイも、エフィッシモが手掛けた投資案件だ。

 ナイガイは9月2日に、子会社において不適切会計の疑いがあると発表。9月4日の株価は335円で、年初来安値となった。

 エフィッシモは不祥事で安くなったところを拾う格好で、10月4日に5.97%を保有していると公表した(12月3日の終値は436円)。

 3位は5.94%上昇したサン電子。大量保有報告書を出したのは、香港のオアシス・マネジメントである(12月3日の終値は1417円)。

 オアシスを設立したセス・フィッシャー氏は、イスラエルで従軍歴もある異色の最高投資責任者(CIO)。日本に集中投資する新ファンドを昨年設立し、10社以上の日本企業に投資しているとみられる。

 4位は冒頭で紹介したユニゾで、4.21%の上昇率。グローバルで4兆円超を運用するエリオットが投資している。

 ユニゾは現在、国内外の投資ファンドなど計8社とTOBを巡って協議中だ。

 どのファンドがTOBを実施するにしても、エリオットは高値で売り抜けられるポジションにある(12月3日の終値は4880円)。

アクティビストの投資を先回り
個人が研究する価値は十分にあり

 5位は印刷を手掛ける廣済堂で、上昇率は3.39%。投資したアクティビストは、旧村上ファンド系のレノだ。

 廣済堂は今年1月にMBO(経営陣が参加する買収)に動いたが、レノが2月4日に大量保有報告書を提出した(この日の終値は707円)。MBO(1株610円。3月に700円に引き上げ)の価格が安過ぎるとして、レノがTOB(3月に1株750円を提示)を仕掛けたことから廣済堂のMBOは不成立に。その後、レノのTOBも大株主の賛同が得られず、失敗に終わっている。

 廣済堂の株価は、12月3日の終値で911円となっている。「株式争奪戦が再び起こる」との思惑から高い水準で推移している。

 アクティビストが株価に与えるインパクトの大きさを見てきたが、彼らの大量保有を先回りできれば、個人投資家がコバンザメのように収益を上げることができそうだ。

 アクティビストを研究する価値は十分にあるといえる。

(ダイヤモンド編集部 清水理裕)

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