今週、サウジアラビアの国営サウジアラムコが通常の石油会社ではなく、同社の新規株式公開(IPO)も異例ずくめだということが改めて浮き彫りになった。アラムコが国内市場向けにIPOを準備しているのはすでに知られているが、同社の持ち主は経済ロジックに逆らう動きをする可能性がある。サウジは今週ウィーンで開かれる石油輸出国機構(OPEC)にロシアなど非加盟の主要産油国を加えた「OPECプラス」の会合で、来年3月に終了する協調減産の延長を提案する考えだ。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が1日報じた。減産延長が短期的には原油相場によい影響を与えることは間違いない。報道の直後、指標となる原油価格は2%上昇した。だが、アラムコの価値が同社の主要商品の価格と不可分に結びついているとはいえ、来年の生産量を自主的に削減するのは、企業価値を高める方法としては奇異に思える。
アラムコIPO、投資家が懸念するOPECとの深い関係
OPECとアラムコの距離の近さがIPOに不利
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