未婚の場合は最初から対象外だった。しかし来年2020年は、終戦から75年目にあたる。

「今日の税調では、杉田水脈さんが『戦争未亡人の方は、今、おられますか?』と発言されました。もう、子育て中の戦争未亡人の方はいません。昭和の時代の戦争からの経緯はともあれ、平成になり、令和になりました。新しい在り方が必要だと思います」(稲田氏)

平等で公平、わかりやすい
「ひとり親控除」に

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 新しい在り方とは、「寡婦(夫)」ではなく、わかりやすい「ひとり親控除」だ。

「等しく平等に、誰にもわかりやすい制度にすればよいのではないかと、今日の税調では盛り上がりました」(稲田氏)

 自民党女性議員たちの当然の主張が、当然の制度という形で反映されるかどうかは、現在のところは未知数だ。それでも戦後、女性にも選挙権が開かれ、女性政治家が出現した。現在は、自民党の中に女性議連ができて声を上げられるところまで到達している。長い時間をかけた遅々たる歩みだ。しかし寡婦控除に関して、稲田氏は「時間がかかってもよい」とは考えていない。

「まだ『段階的に変えなくては』という声も根強いです。でも、来年度、高等教育の無償化が始まります。そこで、死別・離別と未婚のひとり親で大きな差ができてしまう現在の制度のつくりは、やはりおかしいと思います。新しい制度で、『新しい差別』を生み出すことになるからです。今年中に、『等しく』変えていきたいと思っています」(稲田氏)

 その姿勢はシンプルだ。

「ただ、『正しいことを、早くしようよ』というだけです。『令和になって、自民党も変わった』と思ってもらえるのではないでしょうか」(稲田氏)

 子どもの暮らしと育ちと学びに、保守も革新も関係ないだろう。自民党の中にも、その「当たり前」が、当たり前に存在している。是々非々で応援したり批判したりする市民が増えれば、日本は簡単に変わるのかもしれない。

(フリーランス・ライター みわよしこ)

【訂正】 記事初出時より、以下の表現に改めさせていただきました。記事1ページ目の本文第3段落、「稲田氏は2016年、女性として初めて防衛大臣に就任した実績もある」を、「稲田氏は2016年、防衛大臣に就任した実績もある」へ変更しました。(2019年12月12日21:30/ダイヤモンド編集部)