相手から何か聞かれたら、YesやNoで終わるのではなく、
一言何か続けてみよう

 実は私自身、ニューヨークに留学した当初、こういった社会的背景をまったく理解していませんでした。

 学校に行く朝、アパートのエレベーターで乗り合わせた男性陣に毎回一声かけられ、下心があるのかなと誤解したくらいです(当時は私もまだ20代でしたので)。

 しかし、しばらく観察していると、話しかけてくる常連さんも、ちょっとした話題以上に話を広げる気配はまったくありませんでした。明らかに下心があるタイプではない人も声をかけてくるし、中には義務のようにとりあえず一言、声をかけているような人にも出会いました。

 そういった経験をしてみて、そうか、私がエレベーターの密室で恐怖心を抱かないよう、気を遣って声をかけているのだなと気づいたのです。

 スモールトークは、もともとむずかしい話をする場ではありません。

 まずは笑顔であいさつ。相手から何か聞かれたら、YesやNo、単語一語の返事で終わるのではなく、何か続けましょう。

 例えば、“How are you?”「調子はどうですか?」と聞かれたら“I am fine.”「良いです」 や “Good.”「良い感じ」 といった返答で終わるのではなく、“How about you?”「あなたはどうですか?」 か、“And you?”「あなたは?」と、相手にも聞き返しましょう。