今や街中でもオフィスでも、どこでも外国人がいることが当たり前の時代になりました。そして、2020年は東京オリンピックが開催されます。来年は、さらにいっそうまわりで外国人を見かける機会が増えそうです。でも、英語に自信のある方はいいですが、いきなり街中で外国人から話しかけられたりしたら、ドキマギしてうまく対応できないという方も、少なくないはずです。そんな英会話初心者の方に、ぜひ、おすすめしたいのが、『だれとでも会話がとぎれない! 1分間ぺラペラ英会話』(小林真美著、ダイヤモンド社、11月28日発売)です。本連載では、同書の中から抜粋して、英語に苦手意識のあるヒビギナーの方に向けて、英会話上達のポイントをお伝えしていきます。

なぜ、ネイティブはお天気の話が好きなのか?Photo: Adobe Stock

知らない人とでもちょっとした会話を交わすのが欧米流

 街中やエレベーターの中などで見知らぬ欧米人とたまたま目があった時、ニコッと微笑まれた経験を持つ方も多いのではないでしょうか。どぎまぎしている間に、微笑み返すタイミングを逃してしまったという方もいるでしょう。

 欧米人が見知らぬ人と目があった時にニコッと微笑むのは、彼らの文化の一つです。

 目が合ったら軽い笑顔であいさつというのは、日本人が軽く会釈する感覚に近いものです。微笑むことは相手の警戒感を解き、敵意はないですよという意思表示でもあって、紛争が続いた欧米諸国の歴史的背景もあるそうです。

 軽い会釈に会釈で返すと考えれば、微笑まれたら、微笑み返すというのもそんなに難しいものではないでしょう。その後にちょっとした会話を交わす自然な流れがあれば、スモールトークの出番です。

 もちろん、欧米人をひとくくりにして、すべての人達がフレンドリーで、笑顔のあいさつから和やかなスモールトークが展開するわけではありません。目が合ったから微笑んだのに無視された、話しかけたら怪訝な顔をされたという経験は私にもあります。

 そんな時には、そういう人はどこにでもいるものと割り切り、気持ちを切りかえて次の機会にのぞむように心がけましょう。

 ちょっとしたスモールトークが気持ちよくできた時の楽しさは、そういった一瞬の不愉快な思いに比べて、はるかに大きいものだからです。

 私達日本人が、外国人とのスモールトークをマスターする秘訣の一つは、メンタル面でのブロックを外すことです。

 話しかけない、話さない理由を、あれこれ考えるのではなく、とりあえず何か言ってみてしまうのです。“こんなことはあえて口にする必要はない(=言わなくてもわかっている)”とか、“こんな些細なことを言ったらバカにされるのではないか”という不安。また、“こんな質問しても何の役にも立たない”とか、“こんなコメントしたら相手に迷惑ではないか”といった遠慮も、すべてスモールトークを阻む障壁になります。あれこれ心の中で自問自答しているうちに、結局、何も語らずに終わってしまいますよ。

 見知らぬ人とちょっとした会話を楽しむのが欧米の文化です。たわいのない内容で良いですし、特別なことと構えないことからはじめましょう。

 スモールトークを楽しもうという気持ちを強く持って、いろいろな心配や躊躇はきっぱり捨て去ってください。日本人同士だったら、あえて質問しないようなことでも聞いてみましょう。

 自明のことだと思うことでもあえて口に出してみるのです。些細なことでもほめてみる。そういったアプローチで、堂々と話してみようと、覚悟を決めるのが最初の一歩です。