――自民党からは、渡辺喜美氏、鳩山邦夫氏、与謝野馨氏、舛添要一氏などが次々に離党し、既存の政党と合流したり、新党を結成したりしています。このような「第三極ブーム」は、今の二大政党が岐路にさしかかっているからでしょうか?

 民主党にしても、元をただせば過去の自民党の分派に過ぎない。今までは一緒だったものが、2つに分かれて対立しているだけです。民主党も自民党も、新しい時代に対応するための内部的変化が自由に起き、それを昇華できない鬱屈の状態になっています。そういう状況だからこそ、片割れ分裂が少しづつ起きているのです。

 今度の参議院選挙の結果いかんによって、再び政界再編が起きる可能性は十分あるでしょう。現在の新党の動きは、選挙結果を先読みして再編の先駆を期しているものです。

政治家は国民の判定を
受けて成長するもの

――今度の参院選の結果をどのように予測しますか? 民主党は、経済・外交政策において引き続き苦しい立場に置かれており、支持率の回復も難しいと思われます。

 ひょっとしたら自民党が多少優勢になるかもしれないが、まず互角でしょう。新党では、みんなの党あたりが票を伸ばし、他は伸びないでしょう。

 渡辺喜美君(みんなの党代表)は、お父上の渡辺美智雄氏に瓜二つです。お父上と能力も宣伝力も同じくらいはあると思う。ただし、個性や自己主張を持っている点が買われていても、解散総選挙を経ないとそれは定着したというわけではない。

 政治家は、国民の判定を受けることによって自立し、成長していくもの。今の若いリーダーたちは、本格的な選挙を2~3度経験する必要があるでしょうね。政治家にとって、選挙はそれほど重要なもの。だからこそ、政界では政治家の当選回数が重視されるのです。

――中曽根さんは、首相在任中の1986年に衆参同日選挙で大勝した経験をお持ちです。政治家が厳しい選挙を勝ち抜くために、必要な資質は何でしょうか?

 衆議院選挙の場合なら、解散総選挙に打って出る政治指導者の決断力の強さ、そして政治の進路に対する強い確信ですね。国民の支持を得るためには、自分の信念や決意を深く印象づけなくてはいけません。それはまさに「信頼される力」です。