自動車業界にとって今年は厳しい一年だった。世界販売台数は5%減少し、かつては活況を呈していた中国市場も衰えつつある。利益は伸び悩み、自動運転車は現実のものになるにはさらに多くの資金と年単位の時間が必要だ。世界の自動車メーカーがこの1年で合計7万5000人近くの解雇を発表したのは意外なことではない。あるメーカーのトップは筆者に、自動車事業では立ち止まることは許されない、拡大するか削減するかのどちらかだと語った。今回の人員削減がこれまでと違うのは、その理由が市場のシェア争いや石油ショック、経済危機ではなく、「もうすぐ電気自動車(EV)ブームが来る」という認識である点だ。自動車メーカーの幹部は、技術の進歩や規制の見通し、潜在重要から見て、今度こそ本当にブームになると発言している。