世界の大手製薬メーカー2社が9日、競争の激しいがん治療薬市場での製品ラインアップ強化のため、数十億ドル規模の買収を発表した。米メルクは同業アーキュールを総額約27億ドルで買収すると発表。買収価格は107%のプレミアムを上乗せした水準。稼ぎ頭のがん免疫治療薬「キイトルーダ」に加え、多様な治療薬を確保したい考え。一方、フランスの製薬大手サノフィもバイオテクノロジー会社シンソークスを25億ドルで買収すると明らかにした。買収価格は172%のプレミアムを上乗せした水準。がん治療薬で競合他社に追い付こうとしている。こうした買収は、世界最大規模で成長著しい処方箋薬市場での新薬投入に向けた業界の激しい争いを映し出している。市場調査会社エバリュエートファーマによると、がん治療薬の市場規模は現在1230億ドルだが、2024年までに約2倍になると予想されている。
大手製薬メーカー、がん治療薬市場に照準 買収相次ぐ
有料会員限定
あなたにおすすめ