国家財政機能の維持という最も基本的な任務さえ果たせないワシントンの現在の体たらくは確かにひどいかもしれない。だが、驚くべきことではない。8カ月の警告期間を経へてもなお、赤字削減や債務上限引き上げ策に合意できずにいるのは、異常な出来事でも何でもない。むしろ、米政界における二大潮流が最高潮に達した論理的な結果だ。その潮流とは、政府の規模をめぐる、とめどない議論と、下院を中心とする議会内での行き過ぎた党派争いだ。民主・共和両党の指導部は顔を合わせれば、今週末のように、いつも「相手を打ちのめす」必要性を叫んでばかりいる。これでは、同じ国家を運営するパートナーではなく、冷戦時代の敵国同士だ。オバマ大統領は昨晩全米にテレビ中継された演説で、米国民にとっても、世界にとっても、いかに愚かしい状況であるかを率直に認め、「政府の分裂状態は米国民による投票の結果だが、政府の機能不全は違う」と述べた。
米政治を分断する二つの潮流
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