それによると、熊沢被告は「明日はごみの日です」「床屋には行きましたか」などと1人暮らしの生活を案ずる発信が多く、英一郎さんは「はい」などと短く返信していた。

 また、英一郎さんは熱中していたオンラインゲームで、元農水省事務次官の息子と示唆しながら他者への暴言を書き込んだため、熊沢被告が「私の名前を出すな」などと何度も注意したり、近隣住民や不動産会社から苦情が来て対応に苦慮したりしていた内容も明らかにされた。

 熊沢被告が妻にあてた手紙が寝室から見つかり「これまで尽くしてくれてありがとう。感謝している。これしか方法はない。死ぬ場所を探す。どこかで英一郎と一緒に散骨してほしい」と記していたという。

 その上で、検察側は「英一郎さんは人付き合いが苦手で、家庭内では暴力をふるっていた。熊沢被告は(事件直前の)5月下旬に暴力を受け、ネットで『殺人』『執行猶予』を検索するなど殺害を考えながら生活していた」と計画性を指摘。

 弁護側は「熊沢被告は英一郎さんを必死に支えてきたが、家庭内暴力で恐怖を感じていた。事件当日も『殺すぞ』と言われた」と訴えた。

 午後には熊沢被告の妻が出廷し、英一郎さんが中学2年のころからいじめられた鬱憤(うっぷん)を晴らすためか、大学まで殴る、蹴るの暴行をするようになり、ライターや包丁をのど元につけられたと証言。

 5月下旬、熊沢被告が英一郎さんにごみを片付けるよう告げたところ、激しく怒り熊沢被告の髪をつかんで頭を居間の家具にたたきつけたという。

 その日以降、英一郎さんは「殺すぞ」以外の言葉を発しなくなり、夫婦は恐怖から食パンを持って2階に避難していたと述べた。

 また、娘は英一郎さんの存在が原因で結婚が破談となって自殺し、自身も昨年12月に自殺を試みたと話した。

 そして「夫は英一郎のために就職先を探すなど一生懸命だった。どうか、罪を軽くしてください」と懇願した。