習近平国家主席とドナルド・トランプ米国大統領
2019年の米中関係は、まさしく激動だった Photo:Bloomberg/gettyimages

第1段階の通商協議で合意
中国メディアも好感

 現在、香港島の西側に位置する中国政府駐香港連絡弁公室(略称「中連弁」)周辺で本稿を執筆している。

 時刻は12月16日午前6時。中国共産党のマウスピースと呼ばれる新華社通信のウェブ版「新華網」を開くと、ヘッドラインには習近平総書記が『求是』という党中央委員会が発行するプロパガンダ誌に寄稿した、経済政策に関する論考が宣伝されている。その下には、同総書記がマカオ特別行政区返還20周年に際し、12月18から20日まで同地を訪問、視察する旨が公表されている。

 そこから、ページの左側中段に目を下ろすと、米中関係に関する記事が4本掲載されていた。

・王毅が中米が第一段階の通商協議に合意したことについて語る「両国、世界にとって良いニュースだ」

・国務院関税税則委員会が米国産一部商品に対する追加課税措置を暫定的に見送ることを公告した

・米財務長官:「中米が第一段階の通商協議文書をめぐって一致したことは世界の発展に利益をもたらし、不確定性やリスクは収斂し、前途は良好である」

・中米が第一段階の通商協議で合意、証券関係者はこう見る

新華社通信のウェブ版「新華網」の画面
新華社通信のウェブ版「新華網」の画面 Photo by Yoshikazu Kato

 いずれも前向きで、米中関係が達成した成果を宣伝する記事である。スロベニアの首都リュブリャナを訪問中の王毅国務委員兼外相は、ツェラル同国副首相兼外相との会談後に行われた合同記者会見の席で、スロベニアの記者から聞かれた米中関係に関する質問に次のように答えている。

 「中米が第1段階の通商協議文書で一致したことは第三国の正当かつ合法的な権益を標的とするものでも、そこに影響するものでもない。むしろ、各国、世界にとって利益をもたらす良いニュースである。中米貿易協力はWTOのルールに基づいていくし、中国企業は市場化、商業化の原則に基づき、米国や各国からより多くの競争力のある商品やサービスを輸入するだろう。中国は改革開放を深化させており、中国の市場が不断に拡大していくのも必至である。この点も米国、欧州、各国にとって契機を意味する」