•2020年に投資する10銘柄
米国株は好調な状態で年末を迎えつつある。S&P500指数の年初来のトータルリターンは29%で、11年目となった強気相場としては素晴らしい。
株価が史上最高値に近づく中、2020年はどの銘柄に投資すべきだろうか。本誌は今年も10銘柄を選出した。10銘柄の2020年予想株価収益率(PER)の平均値は14倍(S&P500指数は18倍)で、配当利回りは平均1.8%と市場並みだ。なお、2019年の10銘柄は昨年12月の記事発表以降のリターンが24.6%(配当を含む)でS&P500指数の24.3%を若干上回った。以下、2020年の推奨10銘柄をアルファベット順に紹介する。
•アルファベット
グーグルの親会社アルファベット<GOOGL>は、成長見通しと支配的な競争優位を踏まえると、妥当なバリュエーションである。同社の株価は約1350ドルで、2020年予想PERは25倍だ。しかし、自動運転開発会社ウェイモなどの「その他事業」の損失とネットキャッシュ1170億ドルを調整すると、実効PERは20倍に近い。
アップル<AAPL>の直近年度の売上高が前年比で減少したのに対し、アルファベットの売上高は四半期ごとに20%のペースで増加している。同社は世界をリードする検索エンジンに加え、YouTube、基本ソフト(OS)「アンドロイド」、ウェブブラウザー「クローム」などを擁する。ウェイモ単独でも500億ドル以上の価値を有する可能性がある。
自社株買い、配当の支払い、経費の増加の抑制など、株主に友好的な施策を取れば株価は上昇し得る。こうした施策が実現する可能性は、共同創業者のセルゲイ・ブリン氏とラリー・ペイジ氏が退任したことで最近改善した。
•アメルコ
トラックレンタル会社Uホールの親会社アメルコ<UHAL>は、自力で引っ越しする場合の車両レンタルとサービスにおいて、支配的なプロバイダーとして堅固な市場ポジションを有する。
株価は年初来で約10%上昇して360ドルとなっており、過去数年のアンダーパフォームを踏まえると魅力的に見える。主な懸念点は、レンタル倉庫事業の拡大のペースが急過ぎることである。アメルコをカバーするアナリストはほとんどおらず、同社は創業家(持ち分の約40%を保有)が支配する非上場企業のように経営されている。予想PERは16倍、配当利回りは1%未満である。
資産運用会社キンドレッド・キャピタル・アドバイザーズのスティーブ・ガルブレイス最高投資責任者(CIO)は、「アメルコは倉庫への投資を減らし、キャッシュフローを増やす方向へ向かっている」と語る。同氏は倉庫事業だけでも現在の時価総額70億ドルにほぼ匹敵する価値があるとみている。