“プレミアムな都市型の
エアモビリティ・マーケット”の可能性
“空飛ぶクルマ”というアイデアが議論されはじめたのは、かなり前のこと。交通渋滞解消の方法として、注目を集めた。一時期多くの新興メーカーが空飛ぶクルマを商業化しようと競っていた。だが、残念ながら現在に至るまで量産型の空飛ぶクルマは登場していない。
現在、空飛ぶクルマ自体は存在する。その多くはプライベートメーカーが細々と作っている製品で、大半が米国カリフォルニア州に集中している。同州内では空飛ぶクルマのレースなども行われ、それなりにニッチな市場が形成されている。だが、現状は非常に限られたマーケットといえる。
ライドシェアサービスのウーバー・テクノロジーズは、「2023年にもロサンゼルス空港から空飛ぶタクシーを飛ばす」と発表している。どのような内容になるのだろう。「小型ヘリコプターのようなものになるのでは」という予測もあるが、実現すれば空飛ぶクルマというコンセプトは身近になるかもしれない。
19年10月、ポルシェとボーイングが空飛ぶクルマの開発についての相互理解の同意書を交わした、というニュースが流れ、話題になった。この両社が目指すのは“プレミアムな都市型のエアモビリティ・マーケット”の可能性を探ること。空を使った交通の可能性、ユーザーがどのようにそれを利用するのか、などがテーマとなる。