――筆者のジョン・D・ストールはWSJのビジネスコラムニスト ***  企業の最高経営責任者(CEO)たちは2010年代を不安な気持ちで迎えていた。2008年の金融危機はあらゆる産業を苦境に陥れ、景気が回復してから最初の数年間、CEOらは資本の保全や慎重な雇用、脆弱(ぜいじゃく)な世界市場への注視を余儀なくされた。  以来、CEOの役割は大きく変化した。S&P500種採用企業を分析した直近のデータによると、過去10年で売上高、利益、企業価値は着実に増加した。