そして、その「客」に「リピーター」になっていただき、「お得意様(顧客)」になっていただくことで、安定した売り上げの伸びにつながるのだ。

 だから、財・サービスの値段の高低が売れる要因なのではなく、「自社の財・サービスを買ってくれる顧客をしっかり抱えている」から売れるのである。

基本的なビジネスの考え方は
「客」から始まる

 安いから売れるのではない。

 スーパーは、安価で良いものを求める人たちを顧客として抱えている。

 高級食パンのお店は、少々値が張ってもその食パンを欲しがる人たちを顧客としている。

 すなわち、お店の顧客のターゲット層が違うということだ(ここまでは一般消費財を前提にお話を進めてきたが、BtoBの場合はターゲットとなる業界や、その相手企業の予算なども関わってくるため、状況がBtoCよりもさらに複雑になる。だが、基本的なビジネスの考え方は「客」から始まることを覚えておけば、今後あらゆる場面で私たちの役に立つだろう)。

 では、値が張る財・サービスを購入する顧客は、どのような心理でそれらを購入するのだろうか?

 この点を理解するために、人間の購買行動や合理的な意思決定を扱う行動経済学や心理学の視点で、値が張る財・サービスを購入する顧客について見てみよう。

値が張る財・サービスは
「ハロー効果」が働く

 行動心理学の研究によれば、値が張る財・サービスは、それだけで「価値が高い」と思われやすい。これは、行動経済学や心理学では「ハロー効果」で説明できる。

 ハロー効果とは、あるモノや人を評価するときに、特定の特徴によって他の特徴の評価も引きずられる認知バイアスの一つだ。

 例えば、最終学歴が有名大学や有名大学院卒の学生を採用したところ、実際の業務では結果を出せなかったということはないだろうか?