第4位「下向かず、あきらめず! 私たちが県民全員助けます! 何度でも言います、必ず助ける!」

この1年で1番の名言は? 「伝え方グランプリ2019」ベスト10長野県防災公式Twitter

秋には、台風による甚大な被害が相次ぎました。とくに東日本を縦断した台風19号では、猛烈に降り注いだ雨によって多くの河川が決壊。長野県では千曲川が氾濫し、救助を求める悲痛な叫びが次々とSNSに投稿されたそう。
切迫した命の危険にさらされた県民に対し、長野県防災公式Twitterはこんな呼びかけをしました。

「下向かず、あきらめず! 私たちが県民全員助けます! 何度でも言います、必ず助ける!」

暗闇で救助を待つ方にとって「県民全員、必ず助ける!」というコトバは、どれだけ心強かったことでしょう。しかも「助ける!」と繰り返されたことで、より強く伝わったはず。
災害時は、避難の呼びかけをはじめ「伝え方」が命を左右する場面でもあります。今回のツイートは救助を待つ人々の希望の光となり、命を支えた伝え方だったと思います。

第3位「緊張して、死ぬかと思った。」

この1年で1番の名言は? 「伝え方グランプリ2019」ベスト10田村優選手(ラグビー日本代表主将)/記者会見 出典:毎日新聞

2019年は、この英雄たちを抜きに語ることはできませんね。
史上初、悲願のベスト8入りを果たしたラグビー日本代表。
終わってみれば、圧倒的な強さで一次リーグ全勝の快進撃を見せた日本の司令塔・田村優選手は、初戦ではこんなコトバを語っていました。

「緊張して、死ぬかと思った。」

カラダに起こった反応を、赤裸裸にコトバにする伝え方の技術を私は「赤裸裸法」と呼んでいます。「赤裸裸法」には、コトバに体温を与え人間味を感じさせる効果があります。
もちろん、田村選手は素直で飾らない人柄からこのコトバが自然に出たのでしょう。
それでも「死ぬかと思った」という一言で彼の緊張が自分のことのように伝わってきて、ますます応援に力が入ってしまいました。

そして、ラグビーワールドカップで生まれた名言をもう1つ。
優勝した南アフリカのシヤ・コリシ主将のコトバ。

「様々な背景、人種が一つになって優勝できた。
一つになれば目標を達成できると示せた。」

出典:BBC

コリシ主将は黒人差別の歴史を経た南アフリカで、初めてラグビー代表の主将を務めた黒人選手。国内では「次は我々国民がひとつになる番!」という声も上がったそう。
スーパープレーとともに、数々の名言にも感動をもらった大会でした。

第2位「野球のことを愛したことだと思います。」

この1年で1番の名言は? 「伝え方グランプリ2019」ベスト10イチロー選手(マリナーズ)/引退会見

3月、マリナーズのイチロー選手が現役引退を発表。
野球界のスーパースターの引退会見は、名言にあふれていました。そのなかであえて一つを選ぶのであればこのコトバでしょう。

(イチロー選手が貫いたものとは?)
「野球のことを愛したことだと思います。」

日米合わせて28年の現役生活には、想像を絶する苦労があったと思います。それでもグラウンドを去るその日まで、「野球愛を貫いた」と宣言できる彼の野球人生に、敬意と文句なしのカッコよさを感じます。
本当にお疲れさまでした。そしてありがとうございました。