マサヒロの浮いた話はほとんど聞いたことがなく、本人も「結婚なんて焦ってするものじゃないから、がっついたってしょうがない」と言っていましたが、40歳を過ぎ、さすがに焦りだしたようです。
「片ちゃん聞いてよ、40過ぎてさすがに彼女がいないのはまずいと思って、このTっていうマッチングアプリに登録したんだよ」
「マサヒロがマッチングアプリに登録するなんて意外だな!それでなんの相談なの?」
「プロフィールとかを入力していったんだけど、俺高学歴だし、高年収だし、高身長じゃん?住んでる場所(都心近郊)も登録して、最初は半信半疑ながら出てくる女性の写真に『いいね』をつけていってたんだよね。そしたらバンバンマッチングするのよ!もっと早く始めるべきだったと思って」
最近のマッチングアプリは、写真と年齢、地域を入力すればすぐに登録できて、スマホのアルバムを見るように次々に女性の写真が現れます。気に入った女性の写真にいいねのようなボタンを押し、向こうも気に入っていいねを押してくれていればすぐにマッチングが成立します。対象エリアも設定できるので、相手が近くにいればマッチングした数分後にはもう一緒に食事なんてこともあります。 まったく女性に縁がなかったマサヒロにとっては衝撃的だったのかもしれない、と思いながら話を聞いてました。
毎週のようにデート
ついに運命の人と出会い…
「最近、Tでマッチしたいろいろな女性とデートしてたら、ついに運命の人と出会ったんだよ」
「なんだよそれ!ただの自慢じゃねーかよ!!(笑)モテてるんじゃなくて、どうせエリート好きの金目当ての女性が男に飯おごってもらいたいだけだぞ!」と私がいうと、冗舌に喋っていたマサヒロは急に下を向き落ち込んでしまいました。