一方で、現役の役人にその解説をしたところ、「確かに。出世が早すぎる。おかしい」とスパッと出てきた。

 そこでなぜ、常識はずれの「スピード出世」と言えるのかについて、本稿で改めて解説してみたい。

大坪氏が就いている官房審議官とは
課長級の上の幹部職員

 まず、大坪氏が現在就いている官房審議官とは、指定職と呼ばれる職群に属し、課長級の上、各府省のいわゆる幹部職員に当たる。

「官房」と付いているとおり大臣官房に置かれた職であるが、「○○担当」というように特定の政策分野や部局の担当が決まっており、言ってみれば局長や官房長の次長のような位置づけである。

 さて、その幹部職員、指定職たる官房審議官へのキャリアパスはどのようなものなのか。キャリアパスを構成する個別具体的な職については府省によって異なるが、一般的に、その職員の出身府省、いわゆる本省の課長、局の総務課長またはそれに相当する職に就いた上で、官房の課長に就くか、地方支分部局の長(都道府県単位ではなく地域ブロック単位で置かれた、管区○○局や地域の○○局の長)に就いた上でということがほとんどである(もちろん都道府県の副知事に出て、戻ってきて官房審議官というパターンもありうる)。

 ただ、いずれにせよ本省の課長、特に局の総務課長、またはそれに相当する職に就くことは必須であり、それを経ずして官房審議官の職に就くということは、任期付き任用で最初から官房審議官といった場合を除き、まずありえない(なお、特殊な事例として、総務省のうち旧総務庁系は内閣府の前身である旧総理府と合同採用であったため、旧総理府・総務庁系で採用された者にとっては内閣府〈場合によっては内閣官房〉と総務省の両方が「本省」ともいえる)。

 では、大坪審議官の場合はどうであったか。