知られざる国家公務員の実情とは?

 5月末に行われたG7伊勢志摩サミット。各国の首相たちの動向に注目が集まっているその裏で活躍をしていたのは、外交官など多くの国家公務員です。高い志を持ち、国家事業に従事している彼らは、どんな組織で、どういった働きがいを持って仕事をしているのでしょうか。

 実際に働いてみなければわからない企業や組織のリアルな姿を、「Vorkers(ヴォーカーズ)」に寄せられた社員クチコミからリサーチするこの連載。今回は、日本の礎を支えている国家公務員についてみていきます。

 2016年春、入省した職員は約7000人。女性の割合は34.5%と2年連続で過去最高を更新しました。女性比率も徐々に上がり、エリート官僚が日夜遅くまで働く霞ヶ関でも、働き方の変革が求められています。現在、約64万人といると言われる国家公務員。エリート官僚が日夜遅くまで働く霞ヶ関の「今」を覗いてみましょう。

士気が高い財務省、風通しが良い経産省
職員の満足度が低い省庁は?

 まず、Vorkersによる社員満足度を図る8項目の数値評価からみていきます。この評価項目を総合的に見ることで、国家公務員の仕事・職場への満足度が明らかとなってきます。今回対象としたのは、日本の中枢を司る5つの省庁、外務省、経済産業省(以下、経産省)、厚生労働省(以下、厚労省)、国土交通省(以下、国交省)、財務省です。

 総合評価でトップだったのは財務省、続いて経産省が並んでいます。外務省、国交省は5つの省庁の中では平均的な結果となりました。最も低い評価となったのは、厚労省です。 

 8つの評価項目においては、財務省が「待遇面の満足度」「社員の士気」「社員の相互尊重」「20代成長環境」「人材の長期育成」「人事評価の適正感」と、6つの項目でトップ、経産省が「風通しのよさ」、厚労省が「法令順守意識」でトップという結果となり、財務省がトップをほぼ独占しています。残念な結果となったのは厚労省。8つの評価項目中、6つが最下位となりました。国交省はトップも最下位もなく、極めて平均的な評価点となっています。

 8つの評価項目では高評価となった経産省ですが、残業時間と有休消化率は5つの省庁のなかで最も低い結果となっています。