リベラル派は石油・ガスパイプラインや発電所の新設を阻止するために、米カリフォルニア州の厳しい環境規制を利用する。だから企業が同じルールを引き合いに出し、天然ガス配管設備の新設に対する自治体の禁止条例を阻止しようとするのは、何とも皮肉な巡り合わせだ。同州ではバークレー市が今年、ほぼ全ての新建築物における天然ガスの配管接続を禁止した。ソノマ郡の町ウィンザーでは新築の低層住宅に天然ガスを用いるのを禁じた。リベラル派団体は他の都市もこれに続くよう促す。だがガス器具を電気器具に切り替えれば、約7200ドル(約78万8000円)の費用がかかり、光熱費が平均で年間388ドル増える。さらに、事業者には解決困難な問題が生じている。カリフォルニア州レストラン協会はバークレー市の天然ガス禁止条例に対する訴訟を起こした。その中で指摘したのは「天然ガスがなければ調理に時間がかかり、料理人が熱を加える量や強さを調節できなくなり、食事を用意する上の方法や風味に影響するだろう」ということだ。