最近の傾向としてサステナビリティーやダイバーシティーなどの価値観を重視する流れがあります。視点を変えれば、一昔前の弱肉強食でどんな手を使ってでも成果を出した者勝ち、焼き畑農業式のビジネスモデルで金もうけ、といった企業は世の中に受け入れられなくなりつつあります。

 一方で、自分たちが実現したい世界観を持ち、何をもって世の中に貢献していくのか、ビジネスの前に人としてどうあるべきかについて真剣に考え、実践しようとしている経営者が増えていると感じます。実際にどの程度達成できているかはまた別の話ですが、自分なりのフィロソフィーを持つ経営者が多くなってきた印象です。

「どんなやり方でも成果を出す」方式の人に
ファンがつきにくい現代

 そうした会社の特徴はビジョン・ミッション・バリューについて社内で真剣に議論して磨き込み、日々の業務に落とし込もうとしていることです。経営理念が額縁に入れて飾るだけのものになっている会社とは対照的です。

 ビジネスの観点から見ても、もはや高度成長期のように何か良いモノをつくり、大量生産で世に送り出せばしばらく食べていける時代ではありません。常にお客様からのフィードバックを受けながら、もっとお客様や世の中のためになるような製品・サービスにブラッシュアップしていかなければ継続的な成長は難しい。

 そうした社会では、しっかりしたフィロソフィーやミッション・ビジョン・バリューがなければ、企業は求心力を保ち、成長し続けることができません。働く人がその企業のフィロソフィーに共鳴し、ビジネスの中で体現しようとする力が大切になってくるのです。現在の企業においては、この文脈の中で成果を出していく人が周囲にファンをつくり、昇進し、最終的に経営陣の一員になって事業を引っ張っていくのだと思います。

 逆に、フィロソフィーへの共感がなく、「どんな手を使ってでも成果を出す」方式で仕事をする人はファンがつかず、「カルチャーフィットしない人」と見なされるのです。