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 中国の華為技術(ファーウェイ)が世界トップの通信機器メーカーに上り詰めた背景には、政府からの巨額の金銭的支援があった。主要な指標で見た場合、その規模はライバル企業が政府から得た支援をはるかに上回る。

 ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)はファーウェイが受けた補助金、信用供与、税制優遇措置などの金銭的支援を確認し、同社がいかにして最大750億ドル(約8兆2040億円)もの国家的支援を利用し、ほぼ無名の電話交換機ベンダーから世界最大の通信機器メーカーへと成長したかを初めて明らかにした。そうした支援を武器に、ファーウェイは顧客に寛大な融資条件や競合を30%も下回る価格を提供しているとアナリストや顧客は話す。

 フェーウェイは次世代通信規格「5G」ネットワーク構築の契約獲得を世界中で競っている。中国以外の国でも、政府が力を入れる企業や業界に金銭的支援を提供すること自体は珍しくない。ただ、25年前に開始された免税措置をはじめとする中国のファーウェイ支援は、同社と政府の関係への疑問を強める一因となっている。

 米中関係を調査する米議会委員会のマイケル・ウェッセル委員は「ファーウェイには商業上の利益がある一方で、そうした商業上の利益は国家によって強く支えられている」と述べた。米国はファーウェイの機器について、中国政府が同社にネットワークデータの提供を要請した場合、安全保障上の脅威をもたらしかねないと懸念を表明している。ファーウェイはデータを政府に引き渡すことはないと否定している。