百々 出口さんが発する言葉は『貞観政要』そのものですね。
広くみんなに知ってもらうことが知識であって、知識はひけらかすものではない。
人間にとって一番大事なのは、
判断と決断だから。
そのために、いろいろな物事を知っていないといけない。
なぜかわからないけれど、最終的にこうなる、こう見えるという感覚をきっと出口さんは持っていると思う。
僕は、出口さんが真剣に書いた『哲学と宗教全史』のようなジャンルにとらわれない名著はなかなか現れないと思う。あの本はほぼ古典。新刊なのに古典だから最強じゃないですか。
その第一歩目を力強く踏み出した。これからが本番です。
なによりも出口さんが真剣に書いた感じがすごく伝わってくるのがいい。
――まさに出口さんが書いているところを隣で見ていたかのよう!(笑)
百々 しかも、誰にもわかるように書かれている。分厚いけど難解じゃない。
哲学や宗教について、全然知らないけど、そんなことまで知っているの? というレベルまで引きずり込むでしょう(笑)。
――そうですね(笑)。
百々 これ一冊読めば、大学4年間、しっかり哲学と宗教を学んだ人と対等に語り合えるぐらいの感覚が残る。
わかりやすくかつ面白く解説するスキルがピカイチ。
3000年の体系だった知識をきちんと読ませる展開力がすごい。
――まさにそうですね。
出口さんにとって「面白いことは最大の価値」のようですね。
百々 それ、よくわかります。面白いと思われるのが人生で一番楽しい。
――本当ですね。また次回、お話を聞かせてください。
これまでの『哲学と宗教全史』の連載ダイジェストはこちらをご覧いただければと思います。