JRが生き残る方法とは?

視野を広げるきっかけとなる書籍をビジネスパーソン向けに厳選し、ダイジェストにして配信する「SERENDIP(セレンディップ)」。この連載では、経営層・管理層の新たな発想のきっかけになる書籍を、SERENDIP編集部のシニア・エディターである浅羽登志也氏がベンチャー起業やその後の経営者としての経験などからレビューします。

上場4社と非上場3社で
明暗が分かれるJRグループ

 私は長野県の軽井沢に住んでいるのだが、この5月に、近所に新しい本屋ができた。「軽井沢書店」という。

 以前は、同じ場所に別の本屋があったのだが、2年ほど前に閉店している。おそらく他の多くの書店同様、アマゾンなどのネット書店に客を奪われたのが原因だ。

 だが、同じ場所にオープンした軽井沢書店は結構賑わっている。

 それは普通の本屋とはちょっと違った魅力があるからだろう。軽井沢書店で売られているのは本や雑誌だけではないのだ。ハイセンスな雑貨や文房具、レンタルDVDを置いていたりもする。

 併設されたカフェでは、コーヒーを飲みながら、購入したばかりの本を楽しめる。このカフェは、イベントなどにも利用できるそうだ。

 軽井沢書店は、コンセプトとして「軽井沢でオンリーワンの『街の本屋さん』」を掲げている。つまり、単なる本屋ではなく、本を中心に人が集まるコミュニティスペースの役割を果たそうとしているのだ。

『JRは生き残れるのか』
『JRは生き残れるのか』
梅原 淳 著
洋泉社
1400円(税別)

 リアル書店は、全般的には衰退しつつある。電子書籍やネット通販が台頭したためだ。倒産件数も増え続けている。だが、そんな状況でも、付加価値をつけるなどの工夫を重ね、生き残りを模索する書店も存在する。

 実は今私は軽井沢書店にいる。カフェで原稿を書いているのだ。本書『JRは生き残れるのか』を読み終えて店内を見回し、JRも書店業界も、生き残りをかけてあらゆる可能性を探っていかなければならないのだな、と実感した。

 1987年に国鉄が分割民営化されJRグループ各社が発足してから30年が経過した。本書では、各社の特徴と現状を分析した上で、30年後、どのような姿になっているべきかを大胆に提案している。