ただ、ベーシックインカムの財源は、大まかに言うと相対的富裕者(高所得者あるいは大きな資産の所有者)に対する課税(所得税ではなく消費税の場合もあり得るし、名目が保険料となる場合もあり得る)で賄われる。そのため相対的富裕者は、差し引きの結果ベーシックインカムの導入で以前よりも可処分所得が減るのが普通のはずなのだ。

 制度としてのベーシックインカムの「効果」を測定するのであれば、社会全体に与える影響を見なければなるまい。

 ついでに付言しておくと、ベーシックインカムに対する賛否を論ずる際に、ベーシックインカムには「財源がない」のではないか、という議論が出ることがあるが、お金を配っているのだから、「財源は常にある」。

 問題は、

(1)どの程度の規模の再配分を行うのがいいか、
(2)どのような属性の相対的富裕者に課税するのが公平か、
(3)そして、(1)、(2)がもたらす経済的効果がどうか、である。
(4)加えて、再配分は現実の制度として既に存在するが、これと同効果の再配分を行う場合に、ベーシックインカムと現行制度の優劣がどうなのか、を検討するべきだ。

 筆者個人としては、(4)にあって、ベーシックインカムが現行制度に対してかなり優位なのではないかという点を強調したい。