半導体メーカーは苦しい1年を経て、安堵(あんど)のため息をつける理由ができた。業界の右肩下がりに歯止めが掛かったのだ。復調の新たな兆候をもたらしたのは世界最大の半導体メーカーである韓国のサムスン電子だ。同社が発表した業績見通しはアナリスト予想を上回った。これに先立ち、競合の米マイクロン・テクノロジーは12月、業界の最悪期にようやくけりがついたと指摘していた。最大の追い風は世界的な第5世代移動通信システム(5G)の導入だ。これまで減少してきたスマートフォン販売を勢いづけ、大容量メモリーを要する人工知能(AI)や演算、データストレージへの企業投資が拡大するだろう。メモリーチップ価格は過去1年3カ月の間、ほぼ一貫して急降下していた。歴史的な収益を上げた時期が過ぎ、世界経済が伸び悩む中で過剰生産に陥り、売れない在庫が大量に残された。