法務省の「犯罪白書(令和元年版)」によれば、大麻取締法違反の検挙人員は2017年に最多を記録。さらに2018年には前年比16.9%増の3762人に達した。また、2017年の国立精神・神経医療研究センターの調査報告書では、大麻の生涯経験率はモニタリング期間中で最多の1.4%、推計使用人口は約133万人に及ぶ。

 今や有機溶剤に代わり、国内でもっとも乱用されている薬物となった大麻。規制強化により乱用者が減っている「合法ドラッグ」「脱法ハーブ」などの危険ドラッグとは対照的だ。

 気になるのは、20代、30代の若い世代で「大麻容認派」が増えていることだ。

 前出の国立精神・神経医療研究センターの調査で、大麻使用についてどう思うか尋ねたところ「法律で禁止されてはいるが、少しなら構わないと思う」「法律で禁止する必要はなく、個人の自由だと思う」の合計は、20代では3.6%、30代ではなんと5%と20人に1人に達しているのである。

“野菜”“手押し”?
隠語を駆使し、大麻を入手する若者たち

 大麻に対する日本人の意識は“緩く”なっているのだろうか――。薬物依存症からの回復と社会復帰をめざす民間リハビリ施設、特定非営利活動法人東京ダルクの秋元恵一郎氏はこう語る。

「ほかの薬物についてもいえることですが、以前に比べて入手しやすくなったことは大きいですね。20年くらい前は密売人を介して入手するのが普通でしたから。密売人は上野や渋谷の街角に立っていて、表向きは偽造テレカを売りつつ、実は薬を隠し持っているんです。

 独特の目配せで『薬を持っている』という合図をし、通行人にアピールするんですが、買い手は人通りの多い繁華街で彼らに接触しなければならないわけですから、もちろんリスクは小さくなかったと思います」

 それが今やいつでもどこでも、スマホひとつで注文できる時代になった、と秋元氏は説明する。

「SNSで連絡を取り合って買う人が増えました。“野菜”“手押し”などのキーワードで検索し、密売人を捜すのです。野菜というのは大麻のこと。手押しは通販の意味です。大麻はほかに、ガンジャとか葉っぱなどと言われたりしていますね」

 これらの言葉はすでに新聞記事などでも取り上げられており、話題になっている。もはや隠語とはいえないだろうが、密売人たちは次から次へとさまざまな隠語をつくっては、SNSで発信を続けているそうだ。