ドナルド・トランプ米大統領は15日に署名した「第1段階」の米中貿易合意について、当然ながら、中国が慈悲を請うまで痛めつける戦略の正しさを証明する勝利だと自画自賛している。実際には、この合意は両サイドへの相当な経済的ダメージを緩和する相互休戦だ。これが中国の改革運動を後押しすることを期待したい。トランプ氏の2年にわたる関税作戦では、中国が正当な標的であり続けた。同国は世界貿易機関(WTO)に基づく義務をあまりにも頻繁に怠り、外国企業に悪影響を及ぼす重商主義政策を追求している。米企業は秘密が盗まれたり、中国のライバル企業に有利な規制が導入されたりしても、中国の不公正な慣行のなすがままだ。米通商代表部(USTR)のロバート・ライトハイザー代表が、そうした横暴に焦点を当てたことは正しかった。新たな合意では紛争解決や緩和に新たなプロセスが設けられた。苦情は両国の貿易当局者が吟味し、ライトハイザー氏や中国の貿易交渉官トップである劉鶴副首相に段階的にエスカレーションする。中国が合意規定の施行を拒否した場合、米国は関税を課すことができる。
【社説】米中貿易紛争、休戦でも高い代償
トランプ氏の戦略は米国にも多くの経済的ダメージを与えた
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