個人情報公開の危険性を
なぜ若者はスルーするのか?

 SNSが新環境での友達づくりのきっかけにもなるため進学先をオープンにするが、こうした行為にもさして危機感を覚えない子が多いという。実際にTwitterで「#春から◯◯」に出身高校の名前を入れて検索したところ、多くの中学生が出身中学や本名、顔写真などの個人情報を一般公開しながら交流していた。このように若者のネットリテラシーの低下が著しいが、学校側は危険性を教えてはくれないのだろうか。

「当然、授業では『本名、住所、学校名、顔など、個人が特定できる情報をネットに出すのは危険』と教えています。実際、2019年10月には、とある女性アイドルが、ファンに自宅でわいせつ行為に及ばれた事件が報じられましたが、これも、SNSにアップした自撮り写真の、瞳に写った景色を手がかりに最寄り駅や自宅の場所を特定していましたよね。ネットに個人情報をさらすことの危険性は、今も昔も変わっていません」

 学校の授業や、テレビで流れるニュースでも、ネットに個人情報を出すことの危険性が示されている。それでも若者が大して警戒しないのは、学生ゆえの生活圏の狭さが関係しているという。

「学生にとって『社会』というのは、学校と家庭のみ。あっても、バイト先や習い事くらいのものです。自分の『社会』のなかには事件にまで発展するような不審者はほとんどいませんから、SNS上でそうした人の存在を見掛けたとしても、『とはいえ、自分の“社会”とは無関係の人物』と認識してしまうのです」